お薬手帳をアプリにしている方、「ワンタイムコード」の出し方わかりますか?紙の手帳と同じように、手帳の内容を薬剤師に見せるための機能です。
※2023.11.23 加筆1:記事へタグをつけました/加筆2:「ワンタイムコードの利用方法」を追加しました。
普段、薬局で働いていると感じることですが、お薬手帳をアプリにされている時の確認が少し大変です。理由はその「ワンタイムコード」(「ワンタイム"パス"コード」と表記されている場合もある)の出し方を患者さんがご存知ないことが多く、手帳の確認がスムーズにできないからです。
今回はその「ワンタイムコード」の利用方法、特に出し方=発行方法のほか、紙とアプリのお薬手帳の違いについてご紹介します。
目次
「ワンタイムコード」とは?
そもそもお薬手帳は、他の薬局や病院などに行かれた際に、薬や治療の内容、副作用やアレルギーの経験について薬剤師や医師などに確認してもらうためのものです。
ただ、手帳をアプリにされた方は『他人に見せる』という感覚が薄れてしまったり、スマホ画面を見せたくないという気持ちになったりして、薬局での確認がスムーズに進まないことも少なくありません。そんな場合に利用されるのがe薬Link(イークスリンク)®の「ワンタイムコード」です。
アルファベットと数字からなるコードを薬局のスタッフへ伝えることで、手帳アプリに記録された薬の情報をスタッフが一時的に閲覧できるようになります。
以下、ホームページより抜粋です。
「e薬Link(イークスリンク)®」は、日本薬剤師会が提供する、 異なる電子お薬手帳アプリの内容を、相互に閲覧することを可能にする仕組みです。旅行先での急病など、いつもと違う薬局にかかったとしても、この仕組みに対応しているアプリと薬局であれば、患者さんの同意のもと、薬剤師は電子お薬手帳のデータを閲覧することができるので、安全に患者さんにお薬をお渡しすることができます。
この「e薬Link(イークスリンク)®」=「ワンタイムコード」によってスマホ画面を他人に見せることなく、手帳の内容を確認してもらうことができます。
ワンタイムコードの利用方法
- アプリでワンタイムコードを発行
- コードを薬局へ伝える
- 薬局がパソコンで薬の情報を閲覧
ワンタイムコードの出し方、発行方法
アプリによってワンタイムコードを発行する画面上の文言、記載のされ方が異なります。この統一されていないことも、確認がスムーズに進まない要因であろうと思います…。なので今回は、いくつかの例を紹介します。
例1「e薬Link®」アイコン
このアイコン記載と、以降の事例の組み合わせが多いパターンかと思います。
例2「提示」「見せる」
例3「共有」
例4「設定」
上記例1〜3の他に「設定」の画面から発行に進む場合もあります。
このように「ワンタイムコード」の発行方法、手順がアプリによって異なります。薬局の受付や薬を受け取るカウンターで、このコードを聞かれることが多いと思うので、あらかじめご用意をお願いします。
ワンタイムコードの注意事項
有効期限がある
「ワンタイム」なので、一時的にアプリに記録された情報を閲覧できるようにするパスコードです。有効期限は数十分程度と限られているので、薬剤師や薬局スタッフへ伝える直前にコード発行をお願いします。
閲覧できる範囲が限られている
手帳には薬自体の情報の他に、薬がカラダに合わなかったような副作用、食べ物や花粉などのアレルギー、手術や病気などの既往歴といった情報も記録することができます。しかし、ワンタイムコードを用いた閲覧の場合、その範囲は薬に関するもの(処方した病院・クリニックや品名、量、日付、日数など)に限られます。初めての薬局では、問診(質問)票への回答を求められると思いますので、そちらへ副作用・アレルギーの経験や既往歴をお答えください。いつもの同じ薬局でも、経験が増えたり、手術を受けたりして以前とは状態が変わった際には教えてください。
会員登録やログインが必要な場合がある
アプリを利用する事前準備として、会員登録やログインの操作が必要な場合があります。一度操作しておけば、以降は不要な場合が多いと思います。ただログインのIDやパスワードがわからなかったり、操作が面倒であったり、すぐにできなかったりすることがあろうと思います。あらかじめアプリの操作に慣れておく、会員登録・ログインを済ませておくと薬局での対応がスムーズです。
ごく一部の薬局・アプリが対応していない場合がある
日本薬剤師会という組織が提供している仕組みのため、ほとんどの薬局が対応しているものです。しかし義務付けられているものではないため、ごく一部では対応していない場合もあるようです。お手持ちのアプリが対応していたとしても、行った先の薬局が対応していない可能性もないわけではありません。薬局の対応状況については、申し訳ありませんがご自身で利用される薬局へご確認ください。
アプリの対応については、下記ページで公開されています。お手持ちのアプリが掲載されているかご確認ください。まだアプリをお持ちでない方は、ぜひ掲載されているアプリの中からダウンロードをご検討ください!
紙とアプリどっちがいいの?
すばり一長一短です。それぞれのメリット・デメリット、違いを下記に示しますので、自分に合った方をお使いください。私のオススメも、最後にご紹介します。
紙
メリット
- 記録しやすい(シールや用紙を貼る、書き込むだけ)
- 薬以外の情報が確認しやすい(副作用・アレルギー・既往歴など)
- 電気が不要(ブラックアウト時に有用)
デメリット
- 持ち歩きの不便さ(急な受診での持参忘れ)
- 紛失時のバックアップがない(災害時に濡れる、燃える)
- 記録できる量に制限がある(ページが一杯になって冊数が増える)
アプリ
メリット
- 持ち歩きに便利(スマホ内にあるので持参忘れがない)
- 紛失時のバックアップがある(会員登録、ログインにより情報を復帰)
- 多くの情報を記録できる(紙の手帳の何冊分にもなる)
デメリット
- 記録・操作性に難がある(高齢者にとってのハードルの高さやアプリによる差異)
- 薬以外の情報が確認しにくい(副作用・アレルギー・既往歴などはワンタイムコードで確認できない)
- 電気が必要(ブラックアウト時に使いにくい)
そして最後に、私のオススメをご紹介します!それは…
どっちもです(笑)正確には、使い分ける方法です。
- 普段の持ち歩き、定期受診やいつもの薬局に行く時
→アプリ - スマホ、電気が使えなくなった際のバックアップや予定していた入院、初めての病院、薬局に行く時
→紙
…とすると良いトコどりができようかと思います!どちらも使えるようにするために、薬局では
《QRコード(二次元バーコード)が印刷された説明書や明細書》などと、
《手帳に貼るシールや用紙》の両方ともをもらうようにしましょう。
実はワンタイムコードやアプリの機能については、インスタのはじめの方で投稿していますので、合わせてご覧いただけると嬉しいです。よろしくお願いします!