アラサー薬剤師@pharmbook93のブログ

一般の方向けに薬局や医療、健康に関する情報を発信!

年末のご挨拶と薬局薬剤師の1日

新型コロナウイルスの分類が5類へ移行した2023年も、終わりを迎えようとしています。「コロナ明け」と各所で言われていることに、少し心配な気持ちを抱きつつ…今日で仕事納めのアラサー薬剤師です。今年はインスタを中心とした情報発信をスタートしつつ、実際の仕事では、新しい店舗で在宅医療(薬剤師の居宅訪問サービス)を開始した一年でした。
来年の目標は…あまりないのですが(笑)

  • インスタ、ブログでの情報発信を継続する(少なくとも月に1回以上の頻度で)
  • かかりつけ薬剤師としてのスキルを磨く(来年からその資格要件が満たされるため)

ということを、ここで宣言させていただきます!

なので来年もぜひ、このブログやインスタ等をご覧いただければと思います。よろしくお願いいたします。

来年は辰年~哀愁が漂うタツノオトシゴ@神戸の水族館

さて前置きが長くなってしまいましたが、今回記事のメインは「薬局薬剤師の1日」です。

 

※注意!

今回は、処方箋による外来・在宅の調剤をメイン業務としている薬局のケースです。この他にも、いわゆるドラッグストアのような食品、日用品などを幅広く取り扱っているような店舗や、市販の薬が充実しているような店舗など様々なケースがあるので、一つの例としてお楽しみください。

 

開局準備

9:00~

学生のころは、正直あまりイメージしていませんでしたが、薬とは直接関わらない業務というものも当然あります。薬局も「店」であるので、お会計、レジが必要です。前日まで保管していた現金を数えたり、お釣りの用意をしたり。患者様、お客様を迎えるため、清掃や飲み水の補充もスタッフとしてできなければいけません。

コロナ禍になってからは、消毒作業がより念入りに行われるようになりました。患者さんが使う待合スペースはもちろん、初回質問(問診)票に使う筆記具やカウンター台、パテーションのほか、スタッフ同士の感染を防ぐため、休憩のスペースもしっかり消毒します。

調剤では薬を一回分ごとに袋に分けまとめたり、粉薬や塗り薬を量ったりする機械があります。薬の使い方や説明書きも重要で、それらを紙へ印刷するプリンターも大切です。これらが正常に動くか、薬の量や状態に問題がないか確認するテスト操作毎日行っています。

 

開局

9:30~

混雑する時には、オープン前に患者さんが並んでいることもあります。最近は、アプリで事前に処方内容を送信されるケースもありますが、薬の用意は開局の時間になってから開始になってしまうことも少なくありません。前述のような開局前の準備は安全、正確性を保つために必須であるため、事前に送っていただいていても時間を要することをご理解いただきたいです。まれに早朝、深夜に処方内容のアプリ送信をされます。便利な一方で、薬局の営業時間であることを認識いただけていないこともあります。


外来業務

患者さんの居宅を訪問する「在宅業務」と区別して、処方箋を薬局にお持ちいただいた場合を「外来業務」と言っています。これが患者さんにとって、目に見えている薬局の業務部分かと思います。しかし、薬局では前述のような開局前の準備や、後述する「在宅業務」、「相談・フォローアップ業務」、閉局後の業務など、普段は見られていないような業務もたくさんあります。

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在宅業務

前述の通り、薬剤師(場合によっては他のスタッフも)が患者さんの居宅を訪問し、薬に関するサービス、服薬管理・指導を行う業務もあります。週に◯回、月に◯回と予定されているだけでなく、急遽、予定外に患者さんのもとへ行かなければいけない!というケースもあります。それに対応している間は残りのスタッフが外来業務を行いますが、その分の補充スタッフが来るというケースはほとんどありません。お待たせする言い訳にはなりませんが、薬局ではそういった緊急を要するような業務にも従事しているということを知っていただきたいです。

在宅医療についてはインスタでも投稿しているので、あわせてご覧ください。

www.instagram.com

 

相談・フォローアップ業務

処方箋による外来や在宅業務のほかにも、実は行っている業務があります。それが患者さんからの相談に応じる、薬をお渡しした後の状態を確認しフォローアップする業務です。

コロナ禍でセルフメディケーションが求められるようになったことに加え、多種多様な市販薬や検査キットに関する問い合わせ、別の薬局でもらった薬について相談されることまであります。薬同士の飲み合わせはもちろん、健康全般に関しての相談も。電話だけでなく、アプリでも手軽に相談できるようになって、患者さんと薬局・薬剤師との関わりは年々深まっていると思います。

薬局→患者さんという方向でも、その関わりは重要で「フォローアップ」という言葉で表現されることが多いです。薬剤師から患者さんに連絡をさせていただき、薬を使った後の状態を伺います。薬剤師の業務は「薬を渡す」までと思われがちですが、本来は「薬で治療する、健康になってもらう」ことです。そのためには薬を使った後に、効いたかどうか、効きすぎていないか、副作用はないか、続けられているか、と患者さんをフォローすることが必要です。近年、取り組まれるようになってきた業務ですが、これからさらに需要が増していく部分だと思います。


閉局

19:30

薬局の営業時間は、店舗により様々です。19:30は遅い方で、大抵は9:00~18:00くらいが多いかと思います。しかし近年は、医療機関の時間が長くなっている、遅い時間にも診療しているという場合も増えている印象です。特に「門前薬局」と言われる店舗では、その時間に合わせて薬局も営業していることが多いと思います。「門前薬局」など、薬局の種類については下記ブログ記事や、インスタでも紹介しています。

pharmbook93.hatenablog.com

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閉局後に、残業することも多々あります。主に「薬歴」という記録の記載業務は(あまり知られてはいませんが)、薬物治療を行う上で重要な業務です。一方で、営業時間中に記載を終えることができず、残業になってしまう。そのために患者さんとお話する時間を確保できず、歯がゆいい思いをしているという薬剤師もたくさんいると思います(詳細は後日の記事で触れたいと思います)。

そのほか、後日交付予定の患者さんの薬を用意したり、機材・システムのメンテナンスをしたり、営業が終わってもお仕事は続きます。

 


今回はここまで!

次回はより具体的な業務内容として、処方箋の受付から薬のお渡しまでの流れや、「薬歴」という薬剤師が行う記録の記載業務、在宅業務の詳細を記事にしようと思います!お楽しみに!!
皆様、良いお年をお迎えください

*1:病院の中にある薬局(薬剤部)の場合は、入院されている方への「院内調剤」と区別する意味でも用いられる言葉です。